無題

父は7月2日に亡くなった。早朝、心筋梗塞
家族が気付いたときには、もう遺体となっていたそうだ。


突然の知らせに驚いた。
去年色々なことがあって、精神疲労で父は暫く入院していた。
退院してからも元気がなかった。
電話の向こうで動揺して多くを語らない母の様子から、自殺じゃないかとも思った。
思い過ごしだったようだけど。


通夜には出席できなかった。
夜、寺に着いて、泊まった。


次の日の葬式で、初めて父の顔を見た。それまで見ることができなかった。
その顔は、乾いて土色だった。
もう生きていない、精神の宿っていない、物であった。
死んだのだ。どうやっても覆せない事実を確認させられた。


自分の好きなことばかりをしてきた人生だった。


その結果でもあるが、来年4月から家族はバラバラになる予定だった。
それなのに、こんな形で一緒にいることになろうとは。



私は、自分の特殊な家族関係について長いこと考えてきた。
父が死んだことによって、家族のあり方はまた変わるのだろう。


また父が死んだことによって、私は決心がついた。
少しずつ自分の人生を生きていこうと思う。

正直、今までろくな人生ではない。
個人的な事情など早く捨てて、早く社会の歯車になりたい。